梅色夜話



◎『徒然草』第四十四段

 粗末な竹の編戸(あみど)のなかから、月の光で色ははっきりしないが、つややかな狩衣に、紫の濃い指貫(さしぬき:はかま)を着た、とても若い男が、由緒ありげな様子で、ちいさな童をひとり連れて、遠い田の中の細道を、稲葉の露に濡れながら分け行くのだった。

 その間、笛を何とも言いようのないほど、巧みに吹き興じているのを、「良い音だ」と聞き分けられる人もいないだろうと思うにつけても、その男の行く先が知りたく思って、目を離さずに行くと、笛を吹き止めて、山の際にある総門(屋敷の大門)の中へ入っていった。

 "しじ"(牛を放した牛車を支えるもの)に立ててある牛車が見えるのも、都よりも目に付く感じがして、近くに控えていた下人に問うと、「しかじかの宮様がご滞在中で、御仏事などございますのでしょうか」という。
 (後略。屋敷に法師たちがやってくる。屋敷や風景の描写。)




 ……これを男色譚と言っていいものかよくわかりませんが、その道のえらい人が、男色譚として紹介してるんだから、そう思っていいんですね!?
 と、いうことで、またしても気になる青年を見つけて、跡をついて行く兼好氏(はじめ「後を突いていく」と変換された;うひゃ〜///)。
 ですが彼の正体もイマイチ不明のまま。もっと勇気をもってアタックせんかい!!(え、違う?)

 しかし、この青年の謎めいた感じ、なかなかいいんじゃないですか?
 月明かりに照らされた美青年と美少年が、美しい音色を響かせながら野道をゆく……。誰でも跡つけちゃいますね。
 っと、そういえばこのふたり、屋敷から離れた粗末な編戸のあるトコロ(小屋かなにかあるのか?)でいったい何をしていたんでしょう? もしかして…v そうかそうか、ここは二人の愛の隠れ家なのね! まったくこれから仏事があるっていうのに、あらまあv
 男色譚ってこっちのことか!? 妄想の尽きない第四十四段です。

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