梅色夜話



□『犬枕』
 ちょいと春色な内容をお楽しみになりたい方は、反転してご覧下さい。
 (ようするに下ネタですのでご注意を! また、反転内容については注を付けませんのでご了承くださいませ。分からない言葉は辞書で調べてみてね。)
 これが当時の常識的な内容かどうかは不明ですが、はてさて。

◎うれしきもの
 若衆のねんごろ状(ラブレター)。

◎したいもの
 しり(あからさまやなぁ〜)

◎見たきもの
 若衆の顔、同尻
 ほれた若衆の心中、同文も。

◎つまるもの(くるしみ困ること)
 誤るる身を、若衆の根問い。(根問い→問いだだすこと)

◎すぐれて、いらぬもの
 すばり若衆の肌(肌がきれいなのはいらなくないと思うケド…)。
 若衆好きの大魔羅(受ける方は大変だからね;)

◎ならぬそうで成るもの
 主(ぬし)ある若衆(!!!)。

◎いらぬようで、入るもの(入らなさそうで入るもの)
 尻に大魔羅(また…;)

◎入りそうでいらぬもの(入りそうで入らないもの)
 用心する若衆の風呂。

◎心のわくつくもの
 若衆の来る晩。若衆より返事こぬ間。

◎わるかたぎなもの(必要以上に節操が堅いこと)
 若衆のうわほれ。(上惚れか?)
 若衆のきね。(巫覡か?神に仕える人)

◎身の毛立ちするもの(緊張するもの)
 ほれた若衆と参会の時。

◎あぶなきもの
 若衆の人前のうたた寝。あぶらに若衆を。(不明)
 (別本に、出家に若衆あつくる(預ける)。)

◎おそろしきもの
 主の若衆、盗む人。

◎面白きもの
 若衆の有る座敷。若衆との花見歩き。

◎有難く忝(かたじけな)きもの
 若衆の心を、許さるる。

◎腹の立つもの
 若衆の人には恋ぶり。

◎きたなきもの
 若衆の早くそ、同爪くそ(いや、別に若衆でなくとも…;)。

◎きれいなるもの
 若衆の風呂あがり。

◎いたきもの
 すばりの尻させ(またまた現実的な!)

◎くたびるるもの
 飽いた若衆の、ねんごろぶり(ひ、ひどい!あんまりだ)。

◎とめたきもの
 若衆の夜話の後(で、なにするつもりですか〜?)。
 若衆の大酒(若衆は酒を慎むのがたしなみだそうです)。
 同くだり腹。
 或る人のいはく、若衆の所に、腹の沙汰ハ、この道知らぬものの、書きたる験なり。
 (ということは、下り腹でも大丈夫ってこと!?)

◎いなせたきもの(帰らせたいもの)
 若衆の親わき亭主。

◎聞きて、うれしきもの
 若衆に、陰言、よくいはれたる。(陰でも自分のことをよく言ってくれる)

◎問いたきもの
 若衆を見て。

◎気遣いして(心配して)、うれしきもの
 誤りなきに、若衆の悋気(やきもち)(かわいいv)。
 帰りそうにして泊まる、若衆。

◎手の打たるるもの
 小姓を呼ぶ時。

◎知りたきもの
 若衆の方へ来る、文の所。

◎浅ましきもの
 若衆に、捨てられたる身。

◎うらやましきもの
 浅からず若衆に思ハるる人。

◎心もとなき(待ち遠しい、不安)もの
 若衆の、文に返事せぬ。
 惚れた若衆を、人中に置きたる(確かに心配だ)。

◎大きてよきもの
 魔羅 ただし、若道には好ましからず(またこういうコトを言う…)

◎小さくてよきもの
 腰元(身の回り)につかう小姓。
 へのこ(カワイイからってこと…?どういう意味で良きものなのか…)
 稚児(これは可愛いからね)。
 尻し魔羅(まだまだ言うか…)

◎長てよきもの
 君に逢う夜(これは男女共通)。
 若衆の情け(情けが長いってどういうことなんだろう?)。
 ↑ 「行為の時間が長いことではないか」とのご意見をいただきました。なるほど、それは良いですね!

◎見知りにくきもの(理解しにくいもの)
 人たらす若衆(こういうコもいたのね〜v)。

◎油断せらるるもの
 小稚児の円頓者。(詳細不明です;)

◎良いうちにも、悪いもの
 美しき若衆の、ぶたしなみ。
 まれに逢う夜、若衆はやく寝入りたる。

◎笑止(気の毒、滑稽)なるもの
 若衆の出来し立て(でかしだて=手柄立て)の話。

◎肝要(かんよう=大切)なるもの
 若衆は、心。

◎いひにくきもの
 惚れたる若衆を、直にくどく(勇気をもて!)。
 目付けある君に、ものいいかくる。
 (つまり、監視役がいるくらいの御小姓なんかに声をかけるということ。やっぱ無理だよな〜;)
 


 いかがでしたか? なんだかよく分からないトコロも多々ありましたが、この著者が、なかなかの若衆好きであることだけは分かります。
 物語は様々な衆道エピソードが語られますが、やはり「フィクションである」ということを念頭に置かねばなりません(そんなことムシして妄想している人もここにいますが)。
 ですので、こういった随筆(と言っていいのか?)のようなものに、衆道のことが書かれていると、当時の、少なくともその人自身の、考えや衆道の実態を知ることができて、この妄想世界にリアリティーが生まれるのではないかと思っております。

 ちなみに「すばり」とは、「すばり若衆」のことで、色を売る少年、陰間のことです。
 つまり、すばりとは、「すぼまって狭くなること」でして……ね


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