古文書庫◆西鶴作品『武道伝来記』◆

梅色夜話
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『武道伝来記』
毒薬は箱入の命
初茸狩は恋草の種
吟味は奥嶋の袴


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衆道の情。武道のほまれ。人の鑑。


■『武道伝来記』とは■
出版年 貞享4(1687)年。(『男色大鑑』と同じ年に出版)
作者 井原西鶴
*浮世草子。全8巻(32話)。
*実際の事件(敵討ち)に取材し、描かれた武士たちは実在の人物という。
  (ただし、地域・名前等は架空のもの)


訳のあるものには  が付いています。

■『武道伝来記』男色譚一覧■
巻一 一、心底を弾琵琶の海 形も情も同じ美童の事
  敬愛する主人のために先腹を切った采女と左京。家中が二人の武辺に感じ入るなか、左京に横恋慕していた為右衛門は……。
ニ、毒薬は箱入の命 人質は夢の内蔵の事
  幼い市丸は、父親に恨みを持つ男に人質として捕らえられるが……。
巻三 一、人差指が三百石が物 小道具売に替姿の事
  仁七郎は念者を殺した佐太右衛門を追うが、佐太右衛門は潜伏先で別の男と果し合いをすることになっていた。
ニ、按摩とらする化物屋敷 うてど手のない小鼓の事
  念者の病平癒を願い八幡宮に参詣する折、偶然に念者の追う敵に出会った兵之助は、ひとり敵に勝負を挑むが……。
三、大蛇も世に有人が見た様 竹刀は當り眼の事
  父親を馬鹿にされた瀧之助は、なんとか恨みを晴らそうとたくらむ。
四、初茸狩は恋草の種 義理の包物心のほどくる事
  若衆・半之丞とその念者で町人の藤内、さらに半之丞に恋慕する伴蔵。三人の思惑がすれ違い、悲劇を生む。
巻五 ニ、吟味は奥嶋の袴 意気地を書置にしる事
  若衆・梅之助を我が物にせんとする若殿に、侫臣・新六は梅之助の念者を亡き者にすることを進言する。
巻六 四、石臼引べき埴生の琴 鴛鴦の剣衾をとをす事
  愛しい念者が父の敵だと知った庄之助は、念者・専八に涙ながらに心底を語る。愛し合う敵同士の悲しい最期。
巻七 ニ、若衆盛は宮城野の花 義理に身捨つるはほめ草の事
  小姓・勝之助は、振られた恨み晴らしに切りかかってきた男を返り討ちにする。この事件を発端に、事態は思わぬ方向へ……。
巻八 ニ、惜や前髪箱根山颪 涙の時雨に木綿合羽の事
  一刻も早く息子を元服させたい父親。いまだ若衆の前髪を残したい念者は、若衆の元服をかたくなに拒む。
*漢字の表記は読みやすいものに変えた箇所があります。


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