古文書庫◆西鶴作品『男色大鑑』◆

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『男色大鑑』
巻一
(三) 垣の中は松楓……
(五) 墨絵につらき……
巻二
(一) 形見は二尺三寸
(二) 傘持てもぬるゝ身
(四) 東の伽羅様
巻三
(一) 編笠は重ねての恨み
(二) 嬲りころする袖の雪


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総て若道の有難き門に入事おそし。
ためらわないで、ありがたい衆道の門に入るべきである。


■『男色大鑑』とは■
出版年 貞享4(1687)年。(生類憐みの令 発布の年)
作者 井原西鶴
*「なんしょくおおかがみ」と読むらしい。 *浮世草子(好色物)。全8巻(40話)。
*前半4巻は武家社会を舞台にした衆道。後半4巻は歌舞伎役者にまつわる情愛話。
*上の言葉は『男色大鑑』序文から。


→→武家町人編の詳細を見る(下表)
→→歌舞伎役者編の詳細を見る
訳のあるものには  が付いています。


■『男色大鑑』全話一覧 武家町人編
巻一 巻二 巻三 巻四 (←ページ内移動)
巻一 一、色はふたつの物あらそひ
  男女両色優劣論。
二、此道にいろはにほへと
  愛し合う二人の幼い手習い子と老僧の情け。
三、垣の中は松楓柳は腰付
  ひそかに恋い慕う小姓・玉之助の病気平癒を願い、下級武士・笹村は毎日見舞いに伺う。
四、玉章(たまずさ)は鱸(すすき)に通わす
  三年あまり交際してきた若衆・甚之介と念者・権九郎。しかし甚之介に言い寄る男の存在をめぐって、二人の間に秋風が立つ。
五、墨絵につらき剣菱の紋
  振った恨みを買って、殺人の濡れ衣を着せられた若衆・丹之介は、身の潔白を証明してくれた大右衛門と契りを結ぶ。
巻二 一、形見はニ尺三寸
  敵討ちに出た小姓・勝弥は、旅の道中、かつて恋文をくれた源介に出会う。
二、傘持てもぬるゝ身
  殿の寵愛を受けながらも、自分の信念を貫く小輪。
三、夢路の月代
  まだ一夜も契らぬままの念者の突然の死に落胆する三之丞の前に、念者の以前の若衆・左内が現れる。
四、東の伽羅様
  町人どうしの衆道。粋な市九郎に一目惚れした十太郎は心を乱し床に臥せるが、魂は市九郎を追いかけていた。
五、雪中の時鳥(ほととぎす)
  幼い若殿の疱瘡治癒に効果があると言うホトトギスを貰い受けるため、二人の小姓が鳥飼いの浪人のもとに向かう。
巻三 一、編笠は重ねての恨み
  体は弄ばれていても、心ではただひとりを想う蘭丸。彼に恋慕する寺の坊主たちによる私刑!
二、嬲りころする袖の雪
  念者の浮気に嫉妬した若衆の狂気。
三、中脇差は思ひの焼残り
  死んだ若衆の遺骨を高野山に埋めに行く道中、念者の前に若衆の亡霊が現れる。
四、薬はきかぬ房枕
  十八歳の采女はいまだ若衆でありながら、年下の美少年・右京に一目惚れしてしまう。協力的な念者のおかげで二人は契りを結んだが、以前から右京に言い寄っていた男が右京を殺す計画を立てていた。
五、色に見籠は山吹の盛り
  小姓・主馬を恋い慕う義左衛門は、参勤交代で江戸に向かう大名行列をひそかに追いかけた。
巻四 一、情に沈む鸚鵡盃
  妻や美女たちを囲い、盛大な色遊びをして暮らしてきた大尽であったが、妻の死をきっかけに女遊びをやめた。しかし、色の道は思い切れず、後には小姓を置くことにした。(この一編、男色譚とは言いがたい)
二、身替りに立名も丸袖
  六之進が自分をめぐって念者・左膳と果し合いをするつもりであることを事前に知った専十郎は、念者を守るために身代わりとなることを計画する。
三、待兼ねしは三年目の命
  清蔵と卯兵衛は、卯兵衛の若衆・松三郎をめぐって果し合いを約束した。しかし清蔵は思い返して、松三郎が元服した後、果たし合うことにしようと言う。
四、詠めつゞけし老木の花の比
  語り手(西鶴)の出会った二人の老人は、いまでも兄弟の契りを続けていると語る。
五、色騒ぎは遊び寺の迷惑
  住持の留守を幸いに若衆仲間が寺へ集まって遊び騒いでいるとき、角前髪の兄分・外記は若衆・大蔵を事故で殺してしまう。
*漢字の表記は読みやすいものに変えた箇所があります。

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